今回はパチスロ機の「設定」についてご説明します。



パチスロ機の「設定」
設定1から6まで6段階が一般的です。
アクロス系の機種に多いですが、
1・2・5・6 のように中間設定を抜いたタイプ(HANABI、VERSUS、ドンちゃん2など)
1・2・5・6・H(ハナビ通)や 1・C・5・C+(バンバンクロス)
など、特殊なものもあります。
設定1から順にボーナス確率や小役確率、AT確率、ART確率が上がり、高設定ほどコインが増えるチャンスが多くなっています。
マイジャグラー4のスペック表
設定 | BIG | REG | 合算 | ぶどう | チェリー | 機械割 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1/287.4 | 1/431.2 | 1/172.5 | 1/6.35 | 1/36.03 | 95.7% |
2 | 1/282.5 | 1/364.1 | 1/159.2 | 1/6.28 | 1/35.95 | 97.9% |
3 | 1/273.1 | 1/341.3 | 1/151.7 | 1/6.25 | 1/34.69 | 99.9% |
4 | 1/264.3 | 1/292.6 | 1/138.9 | 1/6.23 | 1/33.51 | 102.8% |
5 | 1/252.1 | 1/277.7 | 1/132.1 | 1/6.17 | 1/33.40 | 105.3% |
6 | 1/240.9 | 1/240.9 | 1/120.5 | 1/6.07 | 1/33.23 | 109.4% |
機械割とは
簡単に言うと小役やボーナス、CZ(チャンスゾーン)やAT、ARTなど、全てを設定どおりに引けた際に排出されるコインと、MAX BETしたコインの割合。
100%で±0枚となり、排出されるコインは機械割が100%に対し下回ればマイナス、上回ればプラスとなる。
注意
通常時に1枚掛けや2枚掛けをすると設定差がなくなり、全て設定1以下の機械割になってしまうものが一般的です。
機種によっては1枚掛け、2枚掛け時はボーナス非抽選になるものもあります。通常時は必ず3枚掛けにしましょう!
マイジャグ4を例とすると
設定1
1回転あたり3枚掛け(MAX BET)で回した際、
3枚に対し95.7%の期待値 = 2.87枚 の回収が見込める
5000回転だと
5000ゲーム × 3枚 × 0.957(機械割) - 5000ゲーム × 3枚 = -645枚 の期待回収値となる
設定6
1回転あたり3枚掛け(MAX BET)で回した際、
3枚に対し109.4%の期待値 = 3.28枚 の回収が見込める
5000回転だと
5000ゲーム × 3枚 × 1.094(機械割) - 5000ゲーム × 3枚 = +1410枚 の期待回収値となる
設定1~設定6の勝率
まるがExcelで作成したシュミレータで、マイジャグラー4の設定1~設定6の勝率を調査してみました。
マイジャグラー4 設定ごとの勝率
設定1 25%
設定2 40%
設定3 52%
設定4 67%
設定5 75%
設定6 92%
シュミレーターの設定
・ピエロ、ベル以外の小役を全部取得
・8000ゲーム消化時
・等価交換
高設定の勝率はノーマルタイプだからこその安定感ですね。
しかし、設定2の勝率には目を見張るものがあります。
10台あれば4台は1枚以上勝ち越すという結果でした。
全台設定2でも4台プラス差枚にいれば、強いお店に見えちゃいますよね。
しかしながら、設定1でも4台に1台は勝てるということで、お店のデータを収集していないと「この台の設定は?」と聞かれても、設定1を見抜けるかどうかはわからないと言うことです。
やはりお店のデータ収集は、その日のデータ機の値より重要となることがわかります。
データ収集についてはこちらで詳しく記事にしています。
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機械割と投資、還元率のお話
公営ギャンブル(競馬、競艇、競輪)の一般的な還元率は75%と言われています。
1万円を1000人が賭けたとすると、1000万円になりますよね。
そのうち250万円は、賞金や施設の運営費、選手や職員のお給料などに使われます。
残り750万円を当たった人へ分配する、という仕組みになっています。
一方、パチンコ・パチスロ店の還元率は、80%~88%と言われています。
数字に幅があるのは、お店によって平均設定値が異なるためです。
それにしても、88%?!
設定1でも機械割は96%程はありますよね。
「全台1だとしても、還元率は96%になるんじゃないの?」と思われる方も多いのではないかと思います。
ではここでマイジャグ4を例にとり、全台設定1として試算してみます。
10台 5000ゲーム回ったと仮定します。
設定1の機械割が95.7%なので
5000ゲーム × 3枚 × 10台 × 0.957 = 143,550枚
機械割が100%の場合
5000ゲーム × 3枚 × 10台 × 1.0 = 150,000枚
この差の 6450枚 がお客さんの負け分になります。
150,000枚を投資したことになるわけですが、150,000枚を全て現金で投資したわけではないですよね。
ボーナスが当たったり、小役が揃ったりで増えている分も含めて、全てが投資になっています。
【現金をサンドに入れること=投資】ではなく【1ゲーム1ゲーム回すこと=投資】
になっているわけです。
このときの実際の現金投資額は、スランプグラフの荒れ方にもよりますが、おおよそ350千円くらいになるんじゃないかな~と思います。
等価交換と仮定すると、お客さんの負け分が6450枚なので、221千円の回収となっており
221千円÷350千円=0.631... なので、還元率は63.1%となります。
というわけで、機械割と還元率は計算方法が違うのです。
ホール側から見た設定の考え方
まず、ホールはその日の売上目標を掲げます。
中長期予測はしますが、一日一日の目標を立てるホールが多いと思います。
目標に対して、コーナーごとの回転数から計算した稼働率を予測し、台ごとに設定を入れます。
もちろん低設定ほど回りづらく、高設定ほど回りやすい傾向になりますが、少ない回転数では設定値どおりにならない場合がほとんどなので、高設定だけ回転数がつくということにはなりません。
日頃のお客さんの動きなどを見てコーナー別に平均設定を変えていることが多く、設定変更によるメリット、デメリット(設定変更後に当たりやすくなる、演出から設定推測できるようになるなど)も踏まえて、入念に考えて設定を組んでいます。
設定の入れ方で客入りが変わるとともに売上も変動するため、重要な役割である設定を担当する人は、店の責任者であることがほとんどです。
まるが設定を入れていた時のお話
まだ「イベント」が許されていた時代のことです。
ノーマルタイプの1機種を半6にするイベントをした際のこと。
10台中5台を設定6、5台を設定1にしました。
こちらの予想とは裏腹に設定1が頑張ってしまい…
なんと設定1が出玉5000枚でそのコーナーのトップ台となり、その両隣の設定6にしていた2台があまり回されない結果となってしまいました。
結果、コーナーはほぼトントンの収支(若干客側のプラス)となって、お客さんからブーイングに!
翌日、回されなかった6を2台とも据え置いて開店しましたが、そこそこ回してもらえたのにもかかわらず、前日に引き続き調子が悪く、少々のプラスで終了…。
お店としては「出したいのにー!出てくれない!」なんてこともあったのです。
設定どおりの出玉になることは、お客さん側だけではなく、お店も望んでいるんです…。
設定を踏まえた立ち回りのお話
今までの記事でも何度かお話していることですが、高設定を月単位など長期的に回すことが、一番収支を安定してプラスにさせることになります。
1ゲーム1ゲームが投資であるということを忘れてはいけません。
5000円だけやってみよう、1万円だけやってみよう、というようなことをすると、簡単に台に座ったり簡単に台を捨ててしまったりということに繋がります。
台に座ることにも根拠が必要だし、台をやめるときにも根拠が必要だと思っています。
2台目、3台目になるほど、座る・やめるの根拠が薄くなっていくものです。
負けているから取り返したい、という気持ちだけで台に座っても、結果に繋がることは稀です。
高設定の根拠がないのであれば、家に帰ることが一番の期待値になることもあります。
高設定の期待が持てているから座る、高設定の期待が持てないからやめる、というように、ひとつひとつの根拠を大事に立ち回っていくことが必要です。




まとめ
文章で説明するとややこしくて少しわかりにくかったかもしれませんが、今後の参考になれば幸いです。
次回は完全告知のノーマルタイプの目押しの重要性についてお話したいと思っています。
お読みいただきありがとうございました!
ご質問や不明な点がありましたら、コメント欄やTwitterなどでお気軽に声をかけてくださいね!